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Victoria Shen「Écorché」

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レッスン終了後、いつもはリラックスできる内容のものを選びますが、今月はちょっとピリッとした内容です。これで夏の暑さを乗り切ってください!先月ジャパンツアーで4か所ご一緒したヴィッキーことVictoria Shenさんの Écorchéです。エコルシェとは、人物画や絵画、彫刻において、皮膚を除いて筋肉を表します。 まるで音楽の表面を剥いで、音の芯、そのエネルギーの源を目で観れるかのような作品。
ヴィッキーの何がすごいか、一言で説明するのが難しいですが、だだただ、マルチな才能を持つ天才としか言いようがない。自作のシンセサイザーを縦横無尽に揺らしながらステージを切り裂くようなパフォーマンスに圧倒された方は数知れず。私ももちろんその一人です。過激といえば過激ですが、新しい刺激を求める欲求を満たすだけでなく、人間や自然に対する深い信頼が根底にあるヴィッキーの音楽は、ハッピーなエネルギーに溢れています。


John Coltrane  「Africa/Brass  」

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コルトレーンの作品にしては珍しい、重量感のあるブラスセクションとコルトレーンの波打つサックスのコンビネーションが堪能できる作品。アレンジは最初ギル•エバンスに依頼したものの、最終的には、盟友のエリック・ドルフィーとマッコイ・タイナーに委ねられます。ギル•エバンスが担当したら全く別のものになったでしょう。荒々しいエネルギーを持つこのバージョンを聞くことができる私たちは非常にラッキーです。コルトレーンの音のエネルギーは、私にとって、水であり、月であり、引き潮のイメージです。本CDは大地の支え、太陽の光、火のようなエネルギーのブラスセクションが入ることで、陰陽のバランスが整い、調和のとれた音宇宙はどこまでも広がりながら、聴き手の身体の内面を充実感で満たします。美しい友情で結ばれたドルフィーとコルトレーンの競演。ツインソウルという完成されたコンビネーションもまた、完璧なバランスを創りあげる重要な要素です。



Horace Silver 「A prescription for the blues    」 
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Dr.Jazz (Horace Silver) からの処方箋が届きました。ブルースを患った全ての人々への処方箋です。夜にこのCDを二回聞いて、朝Dr.Jazzに電話すること。ポジティブの塊のようなホレス先生!でもその言葉の通り、このCDの1曲1曲に、人生の通過点で起こる大小様々な問題に対する音楽的サポート、人間のたましいをさらなる高みに持ち上げ、光り輝かせる、その効用を最大限に発揮する曲で構成されたアルバムです。1曲1曲が大切な家族(祖先)に捧げた曲や、メンターに感謝する曲、子供の頃から自分を楽しませてくれたカウボーイを取り上げたもの、キング牧師の演説からのインスピレーションなど、ポジティブなエネルギーで聴き手を気分良くさせる曲がつまった処方箋的アルバム。Spiritual Jazz というと一番にJohn Coltraneを思い浮かべますが、そのアウトプットの方法はミュージシャンにより様々で、スピリチュアルではないジャズミュージシャンは、むしろ存在しません。ホレスのように明るい人間性だと、こんなふうに、エンターティンメント性も兼ね備えたHappyな作品になるし、コルトレーンのように内向的で物静かな性格だと、よりシリアスで奥深い方向に行くのでしょう。どちらの方向性も包み込むJazzという音楽の懐の深さ。音からホレス・シルバーの人間性が伝わってきます。気分が落ち込むことがあったら、ぜひこのアルバムを聞いてみて!

Bennie Maupin 「The Jewel in the Lotus」
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先月ご紹介した横川理彦さんからの推薦の一枚。Bennie MaupinはHerbie HancockやHorace Silverなど名だたるプレイヤーのグループに参加しているマルチリード奏者。収録されているWinds of Changeという曲は全てBennie氏による木管楽器の多重録音。これを聞いて多重録音に対する考えが変わりました。ここまで思い描いている世界が完璧に表現できるのであれば、大いにアリだし、私もやってみたいです。作品全編を通して、深い瞑想に入るような透徹された、それながら境界のギリギリを歩くスリリングな音。Herbie先生も参加する贅沢な一枚です。


Tadahiko Yokogawa
「Crackle 」
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ただただ、かっこいい!の一言に尽きます。驚きの手法で作られた横川理彦さんのソロアルバム。ライブでシンセでヴァイオリンの音を加工したアプローチで何度かご一緒させていただいています。今回の作品はその表現方法の延長にあるのか、表現方法の完成形なのか、実験的な通過性な一幕に過ぎないのか、何がどうなっているのかわからないけれど、とにかくかっこいい!かっこよければ何がどうなっているかわからなくても、スッと入ってくる、という音楽の原点を感じる作品です。もちろん類稀なる横川さんにしか作れない作品です!音もすごく良いです。横川さんのライブに行けば買えます!


Chet Baker and the Boto Brasilian Quartet
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2019年のA Story of Jazz で取り上げるJazz Giantの一人、Chet Baker。逆差別に苦しんだミュージシャンでもありますが、洗練されたサウンドは時代を経て、今なお新鮮な輝きを増しているかのようです。このCDの大部分を作曲しているRique Pentojaの曲が伸びやかで色彩豊かで素晴らしい!Chetにこんな一面があるんだ、と嬉しい発見でした。大好きなアコーディオン奏者、Richard Gallianoも参加していて、贅沢なメンバーの組み合わせです。 Chetの生涯を記したMatthew Ruddickによる伝記書「Funny Valentine The Story of Chet Baker」にこのアルバムの録音についての素敵な記述があります。バークリーを卒業したばかりのRiqueがたまたまヨーロッパでChetに出会い、このアルバムへのゲスト参加を打診したところ、考えてみるよ、といったチェット。後日、Riqueのバンドがライブハウスで演奏していると、階段のところからいきなりトランペットの音がて、チェットが 参加してきた、それが彼にとってのOKのサインだった、という話。すべての音楽を譜面を読まず、耳でこなしていたチェットの才能が垣間見える逸話でもあります。



一噌幸弘「物狂い」/「幽玄実行」

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もしも笛を人間に例えるとしたら、一噌幸弘以外の何ものでもないというか、一噌さんはそもそも笛そのものなのではないか、と思うぐらい、圧倒的なパワーです。我々笛一族の期待を一身に背負って、その期待のはるか上を独走し続ける一噌さんの作品。ご縁に導かれて、一噌さんに能管を習って一年が過ぎました。皆様にご披露できる日が楽しみですが、その前に一噌さんの世界を全力でご紹介したいです。私たちジャズミュージシャンが能の幽玄な世界から学ぶべきもの、つないでいくべきことがたくさんあるように感じています。

今回、ご紹介する二枚はピットインでのライブレコーディングが収録された ピアノ原田依幸 ドラムス吉田達也との洋楽器中心トリオ「物狂い」そして、同じく原田依幸さんと、笙の石川高と邦楽打楽器奏者望月太喜丞 の和楽器+ピアノのカルテットの「幽玄実行」。一噌さんの音楽はメンバー選びが間違いないというのも大きな特徴です。今まで誰もやったことのないような音楽をするのに、それに合うメンバーを集めることはとても難しいと思うのですが、一噌さんのグループは参加しているメンバーが、そしてある種の役割や使命を持って自由でのびのびと演奏しながらも、アンサンブルが笛の音色の磁力に導かれ、ものすごい集中力で進行していく気持ちよさがあります。楽器の編成が和と洋で対になっている2作品は陰陽のバランスを表します。一噌さんの音楽世界はこのボリュームを持ってもなおほんの一角に過ぎないのかもしれません。能管の音色は神々の世界にまで届くような高音ですが、それでいてしっかりと地に足がついた力づよさがあるところにとても惹かれます。笛でこんなに大地を揺さぶるような凄みのある音が出せるんだっ!というところが、習ってみたいと思ったきっかけの一つで、これをぜひフルートにも活かしていきたいです。

柳原陽一郎「小唄三昧」 

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2019年1月のおススメCDは、柳原陽一郎「小唄三昧」です。今回は寳玉が書きました。

大先輩、柳原陽一郎さんの最新アルバムですね。思えば収録曲がひとつふたつとできあがる頃から、何かとライブに足を運ぶ機会がありました。

「歌手は歌うだけ」や「おかえりビッチ」では、ライブにMiyaが参加した事もあります。そしてレコーディングライブでも、現場にお招き頂き一部始終を見せて頂きました。それだけに12月のレコ初ライブにお邪魔した時は、感無量と言って良いものがありました。

このアルバムには「時空を超えた!やなちゃんの『新歌謡』集」というコピーがつけられています。ブルース、フォーク、ロック、アイルランド民謡、そして浪曲など、柳原さんの声を主軸にして展開される世界。ライブではずっとソロで聴いてきましたが、ゲストミュージシャンを迎えて、それが一枚のアルバムになったときに現れる、恐るべき洗練の世界。エレキギターが、バイオリンが、締め太鼓と当り鉦が、リスナーの急所をことごとく射抜きます。柳原さんは本気で命取りにいってますね。だからこそ聴く方には生きる気力が湧いてくるわけです。

こういう人と同時代に生きることが出来て、私はホントに嬉しい。何を隠そう、私が初めて買ったポップスのシングルは「たま」の「さよなら人類」です。中学3年生のころです。うーん、何故だったんですかね。そのころすでに「カッコイイ」感じやつのはダメだった気がします。まあ、そのあとはLUNAR SEAとかも聴きましたけどね(笑)。しかし、あの「さよなら人類」を作った人から、直接サンプル版を頂けるような仲になるとは、私は考えもしませんでした。運命とは数奇なものです。

話が逸れましたが、柳原さんの「小唄三昧」、至高の一枚です。素晴らしすぎて正座して聴いても一瞬で終わります。一家に一枚あると円満な家庭になるでしょう。ホネめでたい感じのジャケットも最高にイカしてます。

Mary Lou Williams The Art of Mary Lou Williams (A Keyboard History)

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一つ前のCDとはうって変わって、この作品はレッスン後の休憩にぴったりです!メアリーの音源は紹介したいものがまだまだたくさんあります。この作品も本当に素晴らしい!まずジャケットが可愛いですよね。このバランス、私はとても好きです。私は定期的に幾つかのホテルのラウンジで演奏していますが、そこで先輩から聞いた印象深い一言「ジャズの良いところはBGMにも、本格的なライブにもどちらにもなることができる所だ」。確かにラウンジではお仲間とお話したい方も、お酒を飲みながらじっくり音楽を味わいたい方も両方いらっしゃいます。心地よい音量で流れるジャズは聞き手のチューニングの次第で、どちらにも聴けるのが確かに魅力の一つです。メアリーのこの作品は、最初はさらっと気持ちよく耳に入ってきますが、そのうちに耳を捉えて離さない箇所がどんどん出てきて、でもそれが本当に心地よくて、素晴らしくバランスが取れた作品です。驚く事にメアリー自身、キャリアの後半ので、レストランで何セットも弾くという仕事をやっていた時期がありました。Cafe Socaietyなどでの華々しい時期とは違い、指先から祈るスピリチェアルな世界に傾倒してからは、ジャズクラブのエネルギーはミュージシャン同士のテレパシーを阻害すると言って、かつて大半の時間を過ごしたナイトライフから身を遠ざけていた時期もあったのですが、その後、すべてを超越したのか、自らの提案でCookeryというレストランにピアノを置き、毎晩5セット、週6日の演奏をした時期がありました。 MingusやCecil Taylorなど名だたるミュージシャンが見にくるそのステージは大変クリエイティブなものだったそう。メアリーほどのキャリアがある音楽家が時間的には過酷な現場をこなしているのに、ショックを受けますが、同じ場所で続けて演奏することで生まれるものをきっと必要としていた時期だったのでしょう。同時にジャズの歴史を鍵盤を通して伝えていく活動も並行にしてやっていて、まさにこの作品のタイトル「History of Keybord」なのです。メアリーの音から学ぶジャズの歴史は重みを持って自分の中で成長していきます。
Benedict / Miya + 7 Maestros Live At Shinjuku Pit Inn Tokyo 2017

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紹介するタイミングを逃してしまいましたが、やはりこの作品は外せないでしょう。スオンレコーズを立ち上げての初の自主制作のアルバムです。早速レッスン終了後のBGMとしてかけてみましたが、うーん、BGMにはあまり向かない作品でした。ある程度集中して聞いてもらった方が、この作品の面白さを感じていただけるとおもいます。とくに気に入っているところは、メンバー一人ひとりの指揮によるアンサンブルの変化。誰が指揮をするかによって、同じメンバーでもガラッとサウンドが変わるのが一つの聴きどころ。そして、音楽には地層のように様々な段階がありますが、そのすべての層を表す音が2枚のアルバムを通してお聞きいただけます。食べ物に例えたら、一皿で、様々な食感と味で、一口ごとに違う表情を見せながら見事に調和するインドのビリヤニが近いと感じています。さらっと聞き流せる作品ではありませんが、スカッとしたい時は得にオススメ。

こちらでご購入いただけます→

Eric Dolphy 『Last Date』

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以前、ドルフィーの入門編としてドルフィーがスタンダードを演奏しているアルバムをご紹介しましたが、もっと本格的にドルフィーの音世界を味わいたい、という次の段階の方にオススメなのがこちらのアルバム。ドルフィーが糖尿病で36歳の若さで亡くなる27日前のオランダでのコンサートの録音です。かの有名な”When you hear music, after it's over, it's gone in the air; you can never recapture it again”(音楽を聴きおわったら、それは空中に消えてしまう。それを再現することは不可能だ)という本人の言葉も聞くことができます。音の一期一会の性質を表すこの言葉はよく考えれば当たり前のことなのですが、ドリフィーの鬼気迫る演奏との相乗効果でものすごい引力を発し、のちに続く私たちミュージシャンに今なお影響を与え続けます。


Gush!Boléro

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加藤崇之(g)、水谷浩章(b)、芳垣安洋(drs)によるライブ演奏を収録した一枚。日本のジャズシーンで今、最も聴くべき3人の組み合わせではないでしょうか。このレーベル、mizmzicは水谷さんが主催するレーベルです。実はこのCDは水谷さんから頂いたものなのですが、価格を見てびっくり。おそらくメインの販売はメンバーのライブ会場だと思いますが、ネットにもありました。とっても良心的な価格です。この作品のようなクオリティの高いものを作ることは本当に大変なことです。自主レーベルとはいっても、演奏者だけでなく、録音技術者、デザイナーなどたくさんの人がチーム一丸となって制作します。そのまとめ役を作品を作る奏者自身がやることは、全体を把握できるので、最善ではあるのでしょうが、誰にでもできることではありません。ベーシトはプロデューサーの才能も抜群の方が多いですが、(私もかれこれ水谷さんプロデュースでCDデビューです、水谷さんに足を向けて寝られません)、そんな経験豊富な水谷さんだからこそ完成した素晴らしい作品だと思います。

加藤崇之さんのギター、大好きです。即興もオリジナルも本当に素晴らしいです。ジャケット内面には一点一点違うアート作品もあります。製作者から直接入手できること、中間マージンが発生しないからこそのお求めやすい価格、惜しみない手間がかけられた素晴らしい作品です。
Leo Ferre 「 LE PONT MIRABEAU」

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おすすめCD持ち込み企画第二弾! 世界中を旅したMさんが、その旅のお供に持って行ったレコードのうちの一枚。おそらくこのレコードは私よりも多くの国を行き来しているでしょう。途中、ベイルートから緊急出国する際、パスポートをとるか、荷物をコンテナに置いていくかの選択に迫られ、泣く泣くコンテナに留め置いたものが、時を経てMさんの手に戻り、はるばるカノンのサロンまでやってきたのでした。このレコードの目線から見た物語は映画にできそうなストーリーです。フェレの哀愁ある歌声とこのストーリーを肴にワインがすすみます。

フランスシャンソン界の巨星 レオ・フェレ。作詞・作曲を自身でこなし、代表曲でもあるミラボー橋はシュルレアリスムという語を生み出した詩人、ギョーム・アポリネールの詩に曲をつけたもの。このほかボードレール、ヴェルレーヌ、ランボーらの詩に曲をつけ、文学的シャンソンと呼ばれました。フランス音楽は結構生徒さんに人気があり、たまにこうして受講生の皆様に私も知らない世界を教えてもらえる嬉しい展開もあります。

レコードをかけただけで、ワインとチーズと香ばしいバターの香りが漂ってくるのは濃厚なフランス音楽の特徴でしょうか。文学的シャンソンというだけあって、言葉の意味がわかればもっと楽しめると思うのですが、音の情報だけでも十分に異国情緒の旅に出ることができる作品。いつかフランス語を勉強するときはフェレの作品で学びたいです。
Hubert Laws
「The Chicago Theme」
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今月のおすすめアルバムは生徒さんからの持ち込みです!これもレコードプレーヤーとカノン自慢のオーディオがあるからこそ!

圧倒的存在感のアルバムジャケット。こういうデザインはレコードならではのインパクト。Axis Mundiでも演奏しているドヴォルザークの家路が入っているのですが、演奏しているメンバーの卓越した技術と、何か新しいものを作ろうという気合いが伝わって来る原曲とは全く違うアレンジ。フルートでリーダーを務めるとなると、何かを超越する事を求められる時代だったと思います。その要求に見事に応え、ゆるぎないテクニックで、ジャズの中でフルートの地位を確立したパイオニア、ヒューバート・ロウズの作品です。お世話になっているサックス奏者、本多俊之さんのお父上、本多俊夫さんが解説を書かれています。遠いと思っている世界は案外近くに存在しているものなのかもしれません。素晴らしい音楽に導かれて一つひとつの事が繋がっていく事を実感します。今後も生徒さんの持ち込み大歓迎です。是非、最高のスピーカーで聴いてみてください!
谷川賢作 「ピアノソロ Vol.5」
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谷川賢作さんの8年ぶり、5枚目のソロアルバムです。賢作さんのピアノの音色に救われたという人はたくさんいると思います。どの人のどんな状況にもフィットする音があるのが賢作さんの音楽の特徴です。優しさが際立つ、気品溢れる音色を堪能できる作品です。賢作さんにはCan On Music School 立ち上げからお世話になっていて、最初のフルートパーティも賢作さんがサポートしてくださって軌道にのせることができました。今年5周年を迎えるスクールのFlute Partyにもゲスト出演してくださいます。ここに集まる個性と才能溢れるフルーティストたちが賢作さんの音色とどんなコラボレーションをするのか、今から楽しみです。
Chico Hamilton Quintet
「The Original Ellington Suite」

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録音は1958年ですが、ドルフィーが参加したテイクは2000年までお蔵入りしていたという驚愕の1枚。
ドルフィー入門としてもお勧めの作品。私はこのアルバムでドルフィーの魅力に目覚めました。デューク・エリントンの珠玉の名曲をチコ・ハミルトンの見事なアレンジで聴かせます。ドルフィーをフルート奏者としてフィーチャーしたのもチコの先見の明も素晴らしい。ドルフィーの前衛的なアプローチを受け止める楽曲とアレンジの懐の深さ、そして、どこまでも超越していくドルフィーの音楽の真髄、のちの彼のリーダーアルバムで炸裂する美しい世界につながっていく原石を感じる事ができます。10年ぐらい前、某有名コーヒーショップでこの音源がかかっているのに気がつきました。命と魂を削って作った作品が50年後に遠く離れた日本でBGMのオシャレ音楽としてかかる日が来るとはドルフィーも夢にも思わなかった事でしょう…先人が残した素晴らしい音楽が私たちの日常に豊かな彩りを与えてくれる事に感謝です。
MUMU 『 2008 Live」
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日頃お世話になっているMUMUのリーダー、植村昌弘さんのライブアルバム。音楽は感情ではなく情報処理の過程で起きる現象だという植村さんの持論を始めて聞いた時は衝撃を受けましたが、MUMUに何度かゲスト出演させていただく内に少しずつその通りだな、と思うようになってきました。植村さんは毎月ライブを開催し、その度に新曲を発表するという超人的な活動を15年以上続けておられます。前々月、前月とその月の曲しか演奏しないので、MUMUの曲は通常3回しか演奏されることがありません。緻密に作られた美しい曲ばかりなので、もったいないと思うのですが、情報処理として考えるとこれが一番の正解だし、この方がのちに歴史に残る作業なのかもしれないという気がしてきました。二度と聞けないはずの曲が繰り返し聞けると思うと、ますます贅沢な気分になるCDです。音質も素晴らしいです!植村さんの音世界を堪能してください。

Joni Mitchell 「HEJIRA」
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カナダのシンガーソングライターで、ジャズミュージシャンとの共演の多いジョニ・ミッチェルボーダーレスに様々なジャンルの光輝く才能を自分の音楽に取り込んで、相乗効果を生み出しながら音楽を作っていく圧倒的なセンスの持ち主です。なんといってもジャコ・パストリアスとの共鳴が魅力的な作品で、総合プロデューサーとしての能力が非常に高いミュージシャン同士の掛け合わせが生んだ奇跡だと思います。

歌詞/言葉が音楽を牽引しながら、言葉のないインストゥルメンタルな世界との垣根がないのもジョニ・ミッチェルの特徴だと感じていて、歌詞を自由自在に操りつつ、楽器奏者と同じ目線で並列に音楽を作るシンガーの方は、素晴らしい方で何人かいらっしゃいますが、もちろんジョニもその代表のような方です。本物の音楽人と出会える事、音楽を全身で浴びられる事は本当に幸せです。

Mary Lou Williams
「Zodiac Suite」


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ジャズピアニスト作曲家/アレンジャーのMary Lou Williams の、Zodiac Suite (12宮星座組曲) です。歴史に名を残すジャズミュージシャンの事を調べていると、かなりの確率で彼らの友人/教師/メンターとしてメアリーの名前が出てきます。

ざっとあげるだけでも、セロニアス・モンク、
チャーリ・パーカー/ディジー・ガレスピー/バド・パウエルなど。これだけすごい人たちのメンターが、その方たちと比べるとそれほど名の知られていない女流のピアニスト。一体何者なんだろう、という興味からこの作品に出会いいました。

Duke Ellington やBenny Goodman 楽団の編曲を手がけるなど、超一流のビッグバンドリーダーからの信頼も厚く、晩年までブルースのソウルがこもったジャズピアニストとして活躍したメアリー。まぎれもないジャズのスピリットでできているような方なのですが、この作品はジャズでは珍しい「組曲」というスタイル、しかも、12宮星座がテーマという事で、これは面白いに違いないと思い購入しました。

星座や宇宙をテーマにした組曲なのかと思いきや、各星座の友人に宛てた曲をつなげた組曲という構成も面白い。例えば、Aries(白羊宮)はBen Wenster とBilly Hollidayに、Libra(天秤)はThelonious Monk,やDizzy Gillespieに捧げる曲といった具合です。

数多くのジャズミュージャンのメンターとなった、メアリーにしか書けない作品だと思います。
音楽を通して人と人をつないだり、大切に思っている事を、作品を通して世に残していて素晴らしい事です。これらの作品がのちにビッグバンドやオーケストラ編成へと進化を遂げますが、その前の初期の段階が聞けるという事も、過程が見えて非常にありがたいです。

12宮全ての曲がありますので、自分の星座の曲はきっと想像が膨らむ事と思います。まるでメアリーが本当に個人的な距離で、大切な友人に向けて語りかけているかのように聞く事ができる作品です。

SUNDRUM 「KoreaFrontier」
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旅する音楽、本能的に魅かれる要素が詰まった作品です。 日韓合作のアルバムで、 最先端の東アジアの音楽とも言える作品。 先日、APTのライブでご一緒させていただいた、ドラムの荒井康太さんのCDです。 日本と韓国のミュージジャンが、 お互いの音楽的背景を持ち寄って、 ぶつかったり、融合したりしながら生まれる音。 国は違うけれど、こういう過程は、 とってもジャズ的で魅かれます。 そこから生まれる迷いのない音は、 本質的ですっと身体に入ってきます。 韓国の伝統楽器の音色、 リズムをベースにしているのが興味ぶかく、 韓国、そしてアジアのリズムはいつか学んで、 体験してみたいと思っているので、 この作品と出会えた事が嬉しいです。


Louis Armstrong
「Louis and The Good Book」
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何をしても絵になるサッチモ先生。 このジャケットにはレコードならではの良さがありますよね! タイトルの通り、聖書がテーマですので、 宗教色が非常に強いです。 音楽と宗教というのは切っても切れない繋がりがあります。 今私たちが効いているほとんどの音楽の原点には何らかの形で宗教音楽から発展した要素が含まれています。

国籍、人種、宗教の違いを超えた平和へのメッセージを、
強烈に発信したルイ・アームストロングが、 ピュアな視点で自分の原点の一つである宗教音楽に向き合っている素晴らしい作品です。 改めてじっくり聞いてみて驚いたのですが、 最近演奏するようになった曲で、 以前ご紹介した時にはまだ自分のレパートリーに、 取り入れていなかった曲が2曲含まれていました。 Nobody knows the trouble I’ve seen とDidn’t it rainです。

このアルバムは古典的なアレンジなので、 改めて聴き直すまで、すっかり忘れていました。 でも、この2曲をやろうと思ったのは、以前聞いた時に、 無意識に潜在的にインプットされたからかもしれません。 宗教音楽にはそのような強烈な力があるからこそ、 今日まで様々な形に変化しながらも残り続けるのでしょう。

歴史に名を残したジャズミュージシャンの中でも、 自分の宗教的ルーツを大切にし、 音楽の題材にした方がたくさんいます。 Thelonious Monkも度々賛美歌を題材に取り上げています。 子供の頃の環境、親からの影響などで、 音楽の土台として賛美歌を持っている音楽家は多いのではないかと思います。

自分の中にある神性と向きあうことは、 音楽家にとって大切なことだと感じています。 その上で宗教を超越したメッセージを発信することができる音楽家が時代を超えて私たちに平和へのメッセージを伝えてくれます。
ルイ・アームストロング先生に乾杯!


Fela Kuti the AFRICA ’70 Ginger Baker 「Live!」

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ジャズの歴史を作ってきたドラマーは数あれど、私が一番接点を感じる事が出来たのがジンジャー・ベイカーです。ドラムだけでなく、メロディメーカーでもあり、アレンジャーでもありバンドリーダーでもある非常に総合力のある音楽家。2バスでロックドラムの礎を築いた事が印象的ですが、アート・ブレイキー、エルビンジョーンズ、マックス・ローチ、トニー・ウィリアムスなどとのドラムバトルなど、ジャズミュージシャンの尊敬と信頼もあついドラマーです。イギリス出身でロンドンジャズシーンで頭角を現し、ジャック・ブルース、エリック・クラプトンと結成したCREAMで一世風靡するも、一つの成功にすがる事なく、次から次にバンドを渡りあるき、ヘロイン断ちのため、そしてリズムに導かれるまま、アフリカ・ナイジェリアへ。このアルバムはナイジェリアの音楽家/活動家で後に伝説的存在となったフェラ・クティと、ナイジェリア活動時のベイカーが録音した代表的な音源のひとつ

坂口光央 「Aerophotonic」
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今月のおすすめCDは坂口光央さんの。昨年ごろ、テクノや電子音楽に興味がどんどん出てきています。それも坂口さんのような素晴らしい奏者を生で見る機会があったからこそ。今月は嬉しい事にベネディクトのツアーにかこつけて、2回、坂口さんと共演の機会があります。電子楽器のように現代のテクノロジーとの共演で音を加工せずフルートのような伝統楽器で正面から対峙する際、DNAに刻み込まれた伝統楽器の既成概念や表現の幅が邪魔をして電子楽器との距離をどうやって埋めたら良いのか以前はよくわからない時がありました。その後、音楽そのものの理解が深まった事、結局は人間が作っている音楽なんだという事。一つ一つのきっかけがつながって良いタイミングで坂口さんの音楽に出会えて、共演まで結びついた事、嬉しく感じています。例えばストラヴィンスキーの作品のように歴史に残る評価の高い音楽作品は自然の音的模写だと言われる事があります。それぞれの時代にあった表現方法で、自分とその周りの関係性を音で表現方法してきたのが音楽家という生き物なのだと思います。音楽と関わる事には様々な目的や効能がありますが、私達制作者の目的は生きるため、人間として活動していくために音楽と向き合っているのだとしたら、自分がいる環境や自然を見て、そことどうやってつながって生きていくかを音にする作業の過程で出来る限り視野を広くもっていたいです。Can On Music School初の記念すべきおすすめのテクノのCDです。どうぞお楽しみください!

Bela BARTOK 「BARTOK plays BARTOK」
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作曲家の自作自演が聞けるというのは、 一番贅沢で幸せな事でもあり、 その曲を勉強したいと思ったら一番の参考になるものです。 このCDを聞きたいと思った一番の理由は、 Benny Goodmanが参加しているから。 Swing Jazzの帝王と呼ばれるベニー・グッドマンと、 ハンガリーを代表する作曲家/民俗音楽研究家、 バルトークの接点は、 全く思いつかなかったのですが、 同じ時代に活躍したパイオニア同士、 音楽の本質を追求すれば交差する点が、 生まれるのも必然だったのでしょう。 キース・ジャレットが、 アルヴォ・ペルトの作品に参加していたり、 パット・メセニーが、 スティーブ・ライヒの作品に参加したりと、 現代を代表するジャズミュージシャンが、 現代音楽の作曲家の作品にフィーチャーされるのは、 自然な流れなのかもしれません。 ジャズという視点だけで限定せず、 広い視野で見ていくと、 ジャンルは違っても素晴らしいものは素晴らしいものと 当然のように繋がっている事を知る事ができます。 一流の作曲家の作品に登場するジャズミュージシャンが、 一流の要望に応える十分な技術があるという事が、
どれだけ高いレベルで創作をしているのかを示しています。 自作自演が多いジャズの世界で、 他人の作品の要望にきっちり応えている場面を聴くと、 また新たな発見につながります。 この事は様々な段階で他の事への応用が可能で、 例えばフルートのレッスンをしていると、 フルート歴の長短に関係なく、 吹いている方のそれまで刻んできた人生が、 音に出てくる事を感じます。 それをどれだけ私が受け取る事ができるか、 そのエネルギーを還元して、 良い流れをまわす事ができるか、
毎回ありがたいチャレンジです。 私たちが探している事は広い視野で音楽の本質と向き合い、 そこから来る喜びを分かち合う事。 音楽にこうして関われている事に感謝です。

もにじん「1」&「2」
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脳内再生率が高いのは、 ハーモニカの特徴とマツモニカさんの音色の、 合わせ技なのでしょうか。
最近ヘビーな音源ばかり聞いていたので、ちょっと息抜きで、 マツモニカさんと長澤紀仁さんのDuo、 「もにじん」をきいています。 聴きやすくライトな仕上がりですが、 お二人の音色の美しさ、ハーモニーの繊細さは天下一品。 ライトだからといって侮ることなかれ。 お二人のナチュラルで心地よい世界観は、 思わず口ずさんでしまうような中毒性があります。 ハーモニカ、特にマツモニカさんのアプローチは、 フルートとの親和性があって、 フルートで吹いたらきっと気持よさそうです。 誰もが知っている曲、そして、知られざる名曲など、 フルーティストの皆様にはレパートリーの参考にもオススメ。



Björk「vulnicula strings」


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10月に開催される小高神社での月明かりコンサートでのパフォーマンスで、久しぶりに弦楽四重奏と共演します。フルート+弦カルの編成で編曲もするので、手元にあるストリングス関係のCDを片っ端から聞いています。実はジャズを専門に演奏する弦楽四重奏は結構あります。

日本でしたら、平山織絵さん率いる、スーパージャズストリングス。ちなみに私はSJSの1stアルバムに、ゲストで呼んでいただきました。今回の小高神社でのコンサートも、織絵さんに人選をお任せして、最高のメンバーになりました。間もなく詳細を発表しますので、楽しみにお待ちくださいね。

さて、弦楽四重奏が入った音源で一番好きなものは、BjörkがBrodsky Quartetと共演しているLive @ Union Chapelというもの。残念ながらCD化はされていないようですが、You Tubeで検索するとフルで聴けますので、是非聴いてみてください。

どうしてこの音源に出会ったかというと音響好きのフランス人にMacを貸したら、返却時「僕の好きな音源を入れておいたから!』と、知らない間にインストールされたファイルが入っていました。「なんなんだ!?」と思ったものの、聞いてみると結構良いものがあって、その中の一つがこのビョークの音源でした。

弦楽四重奏をバックにビョークが、教会の中で歌っているアルバム。ポップなもの、ジャズよりなもので構成されていますが、ビョークの歌と、弦楽四重奏の表情豊かかつ重厚な響きが渾然一体となって、万華鏡のようにキラキラした色彩の中に、連れて行ってくれる一枚です。弦楽四重奏の現代の作品では、一番好きと言っても良いかもしれない一枚になったので、勝手に入れたフランス人には感謝しないといけないですね。

せっかくなのできちんとした製品版も、聴いてみたいと思って購入したのが、今回のオススメアルバム「vulnicula strings」。弦楽合奏+ビョークという編成で、なんとビョーク本人が全て弦楽のアレンジを担当しています。いや、なんていうか、
ビョークはもともとすごいと思っていたけれど、ここまですごいとは!ただただ衝撃です。

愛し合ったパートナーとの別離と、そこからの癒しのプロセスがテーマのアルバム。もしも別れがこんなにも美しい世界を見せてくれるのなら、それはそれで必要な事だろうと思わせる説得力があります。

現代音楽のようでもあり、太古から伝わるメロディのようでもあり、宇宙の神秘が詰まっているようです。集中して聴いていると弦楽の倍音の中に、
すごく不安を感じる部分があって、もしやスピーカーが壊れたのか?と思うぐらいのパワー。

普段だったら、行くことのできないところまで連れて行ってくれる、ビョークならではの強さと美しさがあります。自分でアレンジしているというのが、やはり衝撃で、それでここまでいけるんだっ!というのが見えると、とても励みになります。


Egberto Gismonti「NO CAIPIRA」
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Frevoという曲が聴きたくて買ったアルバム。フルートの超絶技巧が披露されるブラジル音楽の鬼才、Egberto Gismontiの作品です。Frevoというのはブラジルのリズムの一つ。ブラジル各地の地方独特のリズムの豊かさは有名ですが、世界の他の国々、そして日本にも何か形は違えど、地方の音楽の特色があるのじゃないかな~と想像します。
バルトークはルーマニア各地の民謡を採取し、土地に根付いた音楽の魅力に光を当てました。
ジスモンチも道筋は一緒で、さらにジャズの精神を持ってそのルーツを、他のものと組み合わせながら、昇華させていく音楽の第一人者です。このアルバムは学生の時に大学の授業で聴いて、その後、CDが欲しくて探したのですが、10数年前はどんなに探しても見つかりませんでした。Can On にいらしているブラジル出身のRさんと、Frevoをやる事になって、このCDの事を話したら「MP3で持ってますよ!」との事。

そうか、時代は変わったのですね。レコード時代に比べたらまだ選択肢は広がりましたが、それでも輸入盤のCDの中でも珍しいものは、かなり探さないと見つからないものでした。MP3であるという事はCDも簡単に買えるかもしれない!と思い、ネットで見たら、あっけなく見つかりました。あのCD屋を何軒も回った苦労はなんだったんだ!でも時を経てやっと出会えた分喜びもひとしお。10年以上のブランクがあっても、聴いてみるとやはり素晴らしい!!!豊かな色彩とグルーブに包まれた叙情的な作品。何回聴いても飽きません。

CDタイトルはRさんによると、解釈は一つではないけれど、「田舎とつながる(結ぶ)」という意味があるそう。土着的なグルーブと洗練されたハーモニーで田舎と都会と両方の良さが相乗効果で倍増しています。

今、自分が目指している方向性でもあるので、できる限り吸収したいです。ジスモンチのフルート入りFrevoが収録されている、もう一つの作品Sanfonaも近々入手予定!楽しみです。

Johnny Carisi「Israel」
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Israelといえば、Bill Evans の演奏が有名。少なくとも私はそうだと思っていたのですが、本家Johnny Carisiの演奏を聴いてみたい、と思って購入した一枚。聴いてみて驚きました。まるで高級時計のムーブメントのように緻密に、積み上げられたアンサンブル。他のブルースと一線を画すIsraelのBill Evansの、洗練された流暢な演奏は、この精巧なアンサンブルを一度単純化して、その響きをインタープレイの中で、再構築しているのだと思うと、ますます恐ろしい人達です。

トランペット奏者でもあり作編曲者であるJohnny Carisiが生み出すアンサンブルは、ジャズミュージシャンとしての経験もあり、西洋の伝統的なテクニックも持ち合わせていて非常に魅力的です。

100年ほどの短い歴史の中で大きな変貌を遂げるジャズ。その一番変化が激しい過渡期に、音楽を次のレベルへ押し上げた一人です。(余談ですが軍楽隊の経験もあるとの事で、複雑なアンサンブルの中でも整然とした落ち着きや、絶妙なタイミングで繰り出される金管楽器の突き抜け感は、その経験にも由来しているのかもしれません。実アメリカの軍楽隊出身の名アレンジャーは多いです。)

このCDには3バージョンのイスラエルが入っています。どれも違うバンドでのバージョンです。そのバンドごとにメンバーに合うように、細部を変化させています。ライナーノーツに興味深い事が書いてありました。

Johnny Carisiはアンサンブルによって、メンバーに完全にソロの内容を委ねる事もあれば、アドリブのように聞こえても全部書き譜の場合もあるそう。

とにかく良いものを作る。良い結果のためにはプロセスは問わない。すべての可能性を試す職人気質も伺われます。

もう一つ興味ぶかい記述は、Johnny が恩師であり、作編曲において多大な影響を受けたとされる,
Stefan Wolpeをジャズクラブに案内した時の事。当時の最先端といわれた素晴らしいインストゥルメンタルバンドが演奏していてそれを聴いた Volpeはこう話