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UK TOUR  2019
UK…あ、もうUnitedでは無いのですね、とにかくロンドンで演奏するのは6年ぶり!
その間、何人もの仲間が日本に来てくれたこともあって、
こんなに時が経ていた事に気がつきませんでした。
ロンドンの仲間達がみんな元気で活動を続けている事が、まず嬉しい。

そして、東京で6年会わない事に何の不思議も無いように、
他の土地でもブランクの時期があっても、ご縁があるミュージシャンは覚えていてくれるし、
アンダーグラウンドなシーンですが、
そもそも私はロンドンにずっといたと思われていたらしく、なんだかほっこりした気持ちになりました。

今回、協力してくれたBenedict氏の力も大きいですが、
地に足をつけて活動をしていれば、世界のどこでも共鳴する事ができる事を再確認しました。

また、日本でも同じ状況ですが、同世代のミュージシャン達が、
今はシーンの中心にいるということも嬉しかった!
信念を持って続けていれば、お互いに成長したのち、
また世界のいたるところで共演できる。これから最高に楽しみなことです。

さあ、ライブ報告を書いていきましょう!

11/20(wed)  The Horse Improvised Music Club
Benedict Taylor (vla), Adrian Northover (sop sax) Tracy Lisk (dr), Miya

Sue Lynch と Adam Bohmanが運営する月1回のイベント。
以前演奏したときもロンドン中心部からアクセスの良いパブの2階でしたが、
今はWaterloo駅から近くのおしゃれなアートスペースに移動していました。
音響、PAも最高で、嬉しい驚きの進化。
3グループ出演するラストにカルテットで演奏しました。
その中からBenedict とAdrianのトリオの抜粋をこちらにアップしてあります。

https://soundcloud.com/adriannorth/quartet-1
Miya - flute Benedict Taylor - viola
Adrian Northover - soprano saxophone
Live at The Horse Improvised Music Club, Iklectik, Waterloo,
20-11-19 Recorded by St Austral

抜粋ですがAdrianがMixしていてバランスも良いです。
さて、今回のツアーにAbleton Liveが使える一式を持っていきました。
前回はエフェクトは一切使っておらず、少々迷いましたが、
広がってゆく可能性に賭けるのが私たちの音楽の本質、思い切って使うことにしました。

サウンドチェックもできない状況で、
アコースティックで繊細なアンサンブルにエフェクトを登場させるのは、
かなり緊張しましたが、やってみてよかった!

目論見通り、音楽の可能性、そして、時間の感覚そのものに、広がりと柔軟性が出るし、
音量バランスだけは最新の注意が必要ですが、
エフェクトやAbleton Liveは日本では爆音の中でしか使ったことがなかったので、
繊細なアプローチの可能性は発見は今後につながります。

サウンドチェック無しでも音が出る状態までセッティングができるようになったこと、
瀬戸内国際芸術際での経験がおおいに役立ちました!
そして、今回、快く新しいトライを許してくれたロンドンの友人たちに大感謝です。

11/22(Fri) Green Note

演奏2日目、Benedictに是非行った方が良い!とすすめられた、
チェリストのShirley Smartがオーガナイズするセッションへ。
毎回フィーチャーされるミュージシャンがいるそうで、
今回はベーシストのOlie Briceの会でした。
前から一度一緒に演奏したいと思っていたので、最高の機会。
素晴らしい演奏でした。
何よりも嬉しかったのは、Steve Beresford 氏が遊びに来てくれたこと。
Steveはロンドンに来たら絶対にコンタクトを取りたい仲間の一人なのですが、
今回、連絡先が変わってしまって、なかなか通じなかったのです。
それでもなんと、初日のIllectikに私の名前を見つけてみに来てくださって、
さらにこのセッションで一緒に演奏できるチャンスがあるということで、
この日も遊びに来てくれたのでした。

Steveはロンドンの音楽シーンでの重鎮で、
以前お世話になったLondon Improvisers Orchestraでも重要な役割を担っています。
彼に影響を受けたミュージシャンは私を含め、数知れず。
それだけでなくご本人はこういうとあまり良い顔をしないのですが、
本当になんでも知っていて、歩く音楽事典と言われている人物です。
とても忙しいはずなのに、自分が演奏していない時は、
だいたい毎晩ライブを見にどこかに出没していて、
ロンドン音楽シーンで面白そうなライブがあれば、そこに行けば必ずSteveに会えます。
ですので、今回もどこかしらでお会いできるだろう、と思っていたのですが、
まさか初日から会えるとは!
本当に嬉しかったし、2日目にはDUOで演奏するという夢が実現しました。

実はSteveはLIOでの指揮やObjectsを演奏する現場では、
一緒に演奏したことはあるのですが、ピアニストとして対峙するのは初めて!
それにしても驚きでした。
お話するといつもはユーモアに富んでいて、それでいてどこか斜に構えてつかみどころのない、
ザ・イギリス人という印象ですが、
実際DUOで演奏させていただいて
こんなにもエネルギー溢れるピアニストだと気付かされびっくり。
かっこよぎて窒息しそうでした!圧倒的なパワーだけでなく、
ところどころ入る和声の美しさといったら!そしてやはりユーモアも忘れず、
わっと驚く仕掛けもありました。本当に楽しかった!

イベントの主催のShirleyさんもとても素敵なチェリストで、お話も豪快で楽しくて、
またどこかでぜひご一緒したいです。



さて、こちらがSteveがDUOのときに登場させた仕掛け、Stylophoneです。
イギリス発祥の電子楽器で、金属製の鍵盤にスタイラスペンをスライドさせて演奏します。
発売されたときには一家に一台の勢いで人気があったそう。ビブラートもかけられます。
私も早速お土産で購入しました。自分のライブで登場させますので、どうぞお楽しみに!

11/23(sat)  Ethereal World
Rowland Sutherland (flutes),Jackie Walduck (vibes),
Jason Yarde (sax),Kate Shortt (cello),
AlecDankworth (double bass),Mark Sanders (ds),Miya


演奏3日目はフルート仲間のRowland Sutherland のGig。
VibraphoneのJackie Walduck と一緒に運営しているEthereal Worldというバンド。
メンバーも皆第一線で活躍している最高の組み合わせ。
今回、このGigが特別だったのは、私のロンドンでの活動で初めて譜面を使うギグだったこと。
約10年前、初めてロンドンの即興シーンに足を踏み入れた時、
東京で、少しずつ即興演奏を始めた頃だったので、
主に即興の人たちとの共演にフォーカスしていました。

一言に即興といっても、私のようにジャズの即興の延長線上にこの表現方法に出会うこともあれば、
最初からアイディア先行で、
面白いことをやっているうちに自然にこのシーンの住人になった方まで様々です。
一度即興の世界に足を踏み入れるとハードコアな側面もあって、
自分のバックグラウンドも忘れて、そこに没頭する時期もありました。

多分、前回の滞在はそんな時期だったのですが、
今回は一歩引いて、客観的に全体を捉えられる感覚を持っての渡英。
そんな時期にRowlandのように、クラシック、ジャズ、カリビアンなど、
様々な背景を自由自在に使いこなしながら、
縦横無人に音の世界を泳ぐスタイルのプレイヤーと共演できることは、
本当にありがたいことです。
そんなRowlandが集めたメンバーですから、みんな面白い背景を持っていて、惜しみなく、
今目の前で作っている音楽に投入して来ます。これで面白くならない訳がありません。

今回、このグループのために作曲された作品も演奏しました。
しかし、譜面が届いたのが前日!ものすごく緊張してリハーサルに臨みましたが、
譜面を手にできた私はまだ良い方で、当日初めて目にするメンバーもちらほら。
メンバー分揃わない譜面をコピーしているうち、
必要部数とコーヒーを飲む人は何人なのか、という話が同時進行になり、
そのあとは予想通り、コピーとコーヒーの数で大混乱になりました。

いろいろな意味で私にとって前代未聞のリハ。結局一度も曲を通せず、
これは見送りかな、と思ったら、まさかの本番はやるとのこと。
この恐ろしい人たちは、一度も通していない曲を、本番で完璧に演奏ましたとさ。

この話を日本に帰ってから能楽の師匠、一噌さんにお話したら、古典の世界でも、
リハでやったことは絶対に本番ではやらない暗黙の了解があって、
つまり本番しか使わない手があるそう。
今回のイギリスのメンバーもバックグラウンドは、
ものすごくしっかりしている人たち故に、さもありなんです。

終演後、まさかあの状態で曲をやると思わなかったよ!とメンバーに伝えたら、
そりゃ、お互いを信頼しているから当然やるよ、との返答。
確かにロンドンの即興シーンはお互いをリスペクトしている土壌があるように感じます。
基本的な技術があるからこそですが、なんだかギスギスしていなくて良いな。

以前からEtherial Worldとの共演の話はお互いに夢見ていたことなので、
本当に嬉しかった!今度は日本で是非!

11/24(sun) CRAM:Three acoustic duos
Benedict Taylor (vla) & Miya/Tom Jackson (cl) & Neil Metcalfe (fl)/Daniel Thompson (g) & Kay Grant (voice)



演奏4日目はBenedict の企画で、A Hundred Years Gallery での演奏。
BenedictとTomとDainel、兄弟のような3人。来客の層から即興音楽ファンだけでなく、
ミュージシャン仲間からも注目されているイベントだということが伝わります。
同世代のミュージシャンが企画するライブがシーンの中で重要なものですごく嬉しい。
私も頑張るぞ!という気持ちになります。

初めて演奏する会場でしたが、壁が石造りで生で演奏するには最高の環境。
3 Acoustic Duosのタイトル通り、エフェクトは使わず、
生音でBenedictとのDUOにフォーカスしました。長く続けている二人での演奏。
共演できるのは数年に一度ですが、お互いのその間の経験を持ち寄って、
再び音を交える至福の時。Beneはすごい勢いで進化しているので、大変刺激になります。

この日も3組の演奏があったのですが、
もう一つの組み合わせがTom JacksonとNiel MetcalfeのDUOで、これがまた最高でした。
Rowlandだけでなく、尊敬する大好きなフルーティスト、
Niel先生の演奏も聴けて本当に幸せでした。
RowlandとNielは面白いぐらい方向性が違うのですが、私のサウンドもまた二人と違うように感じます。
そもそも比べるものでもないけれど、この違いを見るだけでもフルートって本当に面白く、
可能性のある楽器です。

終演後はビーガンだというトムに合わせて、皆でエチオピア料理を食べに行きました。
テーブルに座るだけで、何も注文しなくてもドーン!とこちらが出てきましたよ。







酸味があるパンにつけて食べるマイルドなスパイスが効いたカレー的な野菜の煮込み。
すっごく美味しかった!この日はビール好きのメンバーが多く、持ち込みOKだったので、
近くのスーパーで買った12種類のビールを飲み比べ。
今、イギリスではPUNK IPAをはじめ地ビールがブームだそうで、
どれも本当に美味しかった!
お店で飲みきれなかったビール片手にLiver Pool Street Stationまで歩きビールを満喫。
それにしてもロンドンの人たちはよく歩きます。
今回の会場も、駅からすぐだから、と言われて完全に油断していたのですが、
駅に到着してからGoogle Mapを開いたら、なんと徒歩27分。何がすぐだよ~!
地元の人の言う「すぐ」は絶対に信用してはいけません。

さて話は変わって、今回のツアーでの唯一の心残りが、
恩師で私のロンドンでの可能性の扉を開いてくれたTerry Dayと演奏できなかったこと。
今回はタイミングが合わず、実現しませんでしたらが、
嬉しいことにこの日のライブを見にきてくださいました。会えるだけでも幸せ。
次は絶対に一緒に演奏したいです。最近のTerryの作品をたくさん入手しましたので、
徐々にCDコラムなどで紹介して行きます!



演奏5日目Benedict とDUOのレコーディング。





ロンドンで初めてのスタジオレコーディグ。
凄腕エンジニアDaveはロンドンで活躍する
ほとんどすべての録音に関わっているそうです。
Benedictとの共演をこうして作品に残せること、
最高に嬉しいし、フルートとエフェクトで臨んだので、新たな展開にもなっていると思います。
これからミックス、マスタリングですが、クオリティの高い作品として世に出せると思います。
本当に楽しみです!
それにしても、海外でレコーディングすると音が違う、というのは眉唾な話だと思っていたのですが、
実際のプレイバックを聞いて驚きました。
そんなに良い例えではないかもしれないけれど、
自分の声の録音を聞いたときに、自分がイメージする自分の声と全く遜色がないような感覚。

もちろんエンジニアのDaveの腕前が素晴らしいということもあるのでしょうが、
やはり電圧の影響もあるのでしょうか。

電圧といえば今回持って行った機材、電圧の関係で使えないこともあると聞いていたのですが、
全ての会場で無事使えたのは一安心でした。
今回滞在していたいとこの家にダイソンのドライヤーがあって、(イギリスの企業なのですね!)、
日本ではなかなか手が届かない品物ですが、
たまたま以前でかけた温泉で100円で試せる所があったので、使ったことがあります。
その時は普通のドライヤーとの違いは感じなかったのですが、イギリスで使って見たらびっくり。
乾くスピードから、髪の潤いから、最終的な仕上がりのボリュームから、
何から何まで使用感が違う。この効果だったら多少高くても絶対欲しい。
でもおそらく日本の電圧ではこうはならないのだろうなぁ。

11/26(tue)London Arch1 Benedict Taylor (vla) Sue Lynch (t sax) ,Miya

演奏6日目
カリスマオーナーのRobert、音楽への愛溢れる暖かい空間で大好きな会場。
なんと、私が不在していた間に水没する被害にあって、(確かに入り口がちょっと低い)
そこから、様々な支援を得てやっと復活したそう。
でも、転んでもタダでな起きないところがさすがで、
機材も全部一度ダメになったそうですが、そこからさらに良いものにしたそう。
クラブオーナーの鑑です!

今回のツアーのブッキングを協力してくれたBenedictとは、
日本やインド、マレーシアなどで一緒に美味しいものを色々と食べました。
どうやら、その時私が散々イギリス料理の悪口を言っていたので根に持っていて、
何がなんでもイギリス料理が美味しいと認めるまではこの国を出さない、
という勢いで様々な美味しいプランを用意して待ち構えていました。

実際、ベネと一緒に行動していると、外食は安くて美味しいものしかないし、
初日に食べたイギリスの伝統料理を出すパブは、正直驚きの美味しさでした。
スモークサーモンや、ハーブを効かせたパテ、小エビのポット煮やうさぎのコンソメなど。
すっかり見直しましたよ。

確かに知らないと難しいかもしれませんが、信頼できる地元の人の案内があれば、
とっても美味しい体験ができることを報告します。
前から言われているインドや中華料理だけでなく、トルコなど中東のお料理もおいしいし、
何よりも旬の食材を使ったイギリスの伝統的な食事も、堂々と美味しいです!

この日はベネの出身地であるカンブリア地方の、
チーズやソーセージをたらふくご馳走になりました。本当に滋味だった!



Arch 1がある地域はサッカーの本拠地の近くでもありますが、
ロンドンで一番の森林地帯がある地域でもあります。

Beneはここでの散歩がお気に入りコースだそうで、
確かにため息が出るような美しい光景で、ここがロンドンの一角だということをすっかり忘れます。
それにしても、ベネは食べ物といい、運動といい、
私が知っている中で一番健康なミュージシャンかもしれません。

ちなみにベネが日本で食べた一番衝撃的なものはおでんとのこと。
形からして元が何なのかわからないところが驚きだそうです。
今から今度彼が日本に来たら、何を食べさせるか、今から楽しみです!

さて、Arch 1で全てのライブの中継を行なっているRobertが言うには、
私たちはもっともっと音楽を通して、人々を教育する必要があるとのこと。
日本語で書くと何だか上から口調になってしまうのですが、
そうではなくて、音楽家が生み出しているこの素晴らしく豊かなエネルギーを、
みんなで共有することは良いことしかない!ということだと思います。
こちらの動画に私たちのトリオの演奏が上がっています。


ちなみに動画内で私の名前表記がMiaになっていて、
これがちょっと興味深いのですが、Miyaという表記だと、
初めて会う方はマイヤアに近い発音になります。

今までは先に自己紹介できたので、ほとんどそのままミヤと呼ばれていましたが、
今回は色々なところに出演させていただいたおかげで、
文字が先回りして、マイヤアと呼ばれることが多かったです。
それだけ色々な方にお会いする前に名前を見てもらえたということですね!
ロンドンにちょっとは浸透できた気がします。
次にミヤと呼んでもらえることが増えたら、成功の証です!

11/27(wed) Flim FlanAlan Wilkinson (sax) Benedict Taylor (vla) & Miya

最終日はAlan Wilkinsonが主催するFlim Flan。こちらは20年近く続いているイベント。
私も出演するのは3回目。ロンドンで初めてのGigもありがたいことにこちらのイベントでした。
主催のAlanは、日本でいうと坂田明さんのような存在。
お話も面白いし、演奏するとすごいブロウで持って行かれますが、
フルートのような楽器とでも共存できる繊細な耳の持ち主。
ツアーの締めにふさわしく、アランとベネと私のトリオで演奏。
スピーカーがない会場だったため、アコースティックで身体の中から最後の一音まで絞り出して来ました。アランさん、フリーなアプローチでの演奏を耳にすることが多かったですが、
ふと、もしかしたら普通のジャズもめちゃくちゃうまいのでは、と思わせる瞬間がありました。
おそらくそうなのでしょう。
イギリスで一緒に演奏するプレイヤーは皆、即興が面白いことはもちろん、
それぞれの音楽の幅が広く、そしてお互