江井神楽

江井神楽

江井神楽…福島県南相馬市原町区江井に伝わる神楽。伊勢太神楽系の獅子舞を擁し、笛、太鼓と三人の舞手により演じられ、四季の各時期、特に農業に関わる祈願や奉告の際に奉納されます。獅子舞は楽屋、シガ、幕舞、幣束舞、鈴舞、勇舞、シガの順に舞います。大地を踏み締め、四方を清めながら、幣束や鈴などの採物を持って舞う。1995年ごろを境に一度伝承が途絶えましたが、3.11を契機 に市が文化保存事業として作成したDVDをもとに、2017年に復興開始しました。

復興の経緯

笛の演奏を中心に神楽の復興が始まりました。奉納されていた頃の映像を頼りに、笛、太鼓の指導をできる方を探しあたるも、江井地区内外を含め近隣では既に適任者が見つからなかったことから、民俗神楽のルーツを辿るべく、能楽師・一噌幸弘氏(重要無形文化財総合指定保持者/国立能楽堂講師前任)に監修を依頼し、郷土芸能を含む日本古典の歴史、笛の形態や演奏に至るまで指導を受け、復興に漕ぎ着けました。

新たな歩み

その後、江井神楽の原型を残したまま能の手組みを入れるという、古来からの手法による新しい神楽が、発展形として完成しました。民俗神楽は元々は伊勢神楽が全国に伝播したものが地域に根付いた芸能ですが、かつては各地を訪れた雅楽師や能楽師を囲み、楽しみながら変化を加えていったものです。この度、江井神楽では、一噌氏の提案のもと、全国でも近年ではほとんど例がなかったであろう神楽の古典的手法による発展を実現しました。

江井神楽年表

1995年頃   伝承が途絶える
2017年        映像、伝聞を元に復興を開始
2018年        綿津見神社春季例祭で復興後初めて囃子を奉納
2019年        舞の復元を開始。鈴舞を除く全ての場面を舞付きで綿津見神社春季例祭で奉納
2020年       コロナにより奉納、練習を中止
2023年     「常磐線舞台芸術祭」出演  
                     能楽師 一噌幸弘氏を迎え、能の手組みを導入、披露

参加者募集

参加者募集…江井神楽会では一緒に神楽に取り組むメンバーを随時募集しています。月に1回、江井集落センターにて練習を行なっています。江井神楽会の公式X (Twitter)やインスタグラムてお知らせしています。最新情報などの告知もあります。フォローよろしくお願いします。
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常磐線芸術祭にて 撮影:鈴木竜一朗

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