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Miyaの最新情報︎︎︎

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Connecting Places 募金では随時募金を受け付けております。
募金は全額宮城県名取市の発達支援施設S-空間に寄付され、
子供達の教材購入など発達支援に役立てられます。
詳細はこちらのページにて。

これまでの活動のご報告

2022年10月
3回にわたるチャリティ配信ライブを行いました。

私たちが3.11以降、募金や音楽で支援している
宮城県名取市「S・空間」における発達支援は、
現在、コロナ禍の影響を強く受けており、
支援の必要な子供達が来所できない状態、
また啓蒙活動が制限され、
支援が必要でも親達がそれに気付くことができない状態が続いています。

この状況にあって、代表の谷地ミヨ子先生は3.11の時と同様、
電話などを使い遠隔で子供達の支援を行なっています。
コロナ禍が終息し子供達が戻るまで、
高騰する燃料費や水道費を支払いながら施設を維持しています。

これまでお伝えしてきた通り、
谷地先生の視点や指導法は得難い叡智の結晶であり、
他に替え難い価値のあるものです。
現在の発達支援は10年後の日本に大きな影響を与えます。
皆様からお預かりした寄付は、S・空間の維持運営に使用させていただきます。
ご寄付をいただいた皆様には心より感謝申し上げます。




2021年11月4日
南相馬市より東日本大震災の復興支援の感謝状を頂きました。
私達の活動にご協力頂いた皆様にお礼申し上げます。


2021年 10月18日
チャリティ配信ライブを行いました。
ご寄付をいただいた皆様には心より感謝申し上げます。






2020年 12月30日



発達支援施設「S-空間」谷地ミヨ子先生から、
皆様への御礼と近況のレポートを頂戴しました。

得体の知れないウイルスと関連するストレスに、
世界中の人が翻弄された2020年。

全国の発達支援の現場でも、
たくさんの苦労があっただろうと推察されます。

そんな中、谷地先生の「Sー空間」では、
震災時と同様、危機的な状況を卓越した支援技術で回避しながら、
想像を超えた進歩に向かってるようです。

人間の脳は、いちいち細かいことを気にせずとも、
「ざっくりと理解できる」という、
AIにはない素晴らしい高次機能を持っています。

たとえば「手を上げる」という単純な行動一つとっても、
私たちは周囲の状況を観察し、判断し、
手を上げる方向を認識して、
しっかり、上に向かって手をあげているわけです。

コロナによりソーシャルディスタンスを求められる中、
子供たちにとって「上」という方向の相対化が難しくなり、
「手を上げる」という行動の複雑さを改めて思う、
という言葉が、谷地先生のレポートにはありました。

発達支援の現場では、常に思わぬ課題が転がり出てきますが、
彼らが向かい合っている課題は常に、真の能力開発とえいます。

谷地先生は決して「人並み」をつくっているのではなく、
元々突出した能力を、どう社会に組み合わせていくかを考えています。
それは迎え入れる側にとっても同じことです。
彼らの一人ひとりをとびきりのスペシャリストとして社会に迎え入れるには、
全方向でのコンディショニングが必要です。
それは私たち自身の能力開発のミッションでもあるわけです。
その先に得られるものの大きさを想像すると、楽しみでなりません。

谷地先生自身が常に新しい発見を連発し、
訪れる私たちにも、常に新しい視点を教えてくれます。
「S-空間」が環境の変化に屈しないのは、
その社会的機能上、当然といえば当然なのでしょう、
不屈というより、実にダイナミック。

発達支援の現場は、
常に最先端の、発見に満ちた現場なのです。

寳玉義彦 (詩人/コーチ)



2020年 12月1日

10月18日、Miyaのバースデーチャリティ生配信企画にて、
皆様からお寄せいただきました募金を、
12月1日、発達支援施設「S-空間」へ送金完了いたしました。
コロナにより現状、訪問は叶いませんが、
代表の谷地ミヨ子先生と電話でお話しし、徹底した感染対策のもと、
支援を続けているとのご報告をいただきました。
今回皆様からおあずかりした募金は募金は感染対策や施設の運営に使用されます。
皆様のご厚意に心より感謝申し上げます。

Miya/Team Can-On

2019年 10月19日「S-空間」

ヨーガ講師・青木陽佳さんが集めて下さった寄付を携え、
「S・空間」へ。

この日の演目は、レオ・レオニ作/谷川俊太郎訳の名作、
「スイミー」。これに音楽とヨガをジョイントさせます。

沢山の子ども達が待っていてくれ、
スペースを取るのが難しい状況のなか、
子ども達は自然に周囲に気を配り、
見事に安全なスペースを確保してゆきます。

ミヨ子先生の朗読とMiyaの音楽にあわせ、
陽佳さんが次々にポーズを替えてゆくと、
子ども達もそれに続きます。
それぞれが自由闊達で、しかも、
きちんと指導されたことを守っていました。

ミヨ子先生も、安心できる指導者に一時任せることで、
離れた所から子ども達を観る事がでます。
それは発達支援にとってとても貴重な確認の時間。
類い稀な支援のスキルを持つミヨ子先生の、
役に立てることが、本当に嬉しいです。
再開を約束してS・空間を後にしました。


2019年 2月23日「S-空間」

2月23日、「ニーシカトリオ」で、宮城県・名取市にある
発達障害をもつ子供の支援施設「S-空間」を訪問しました。
おなじみのMiyaに加えて、
チェロの平山織絵さんと、薩摩琵琶の荒井靖水さんとのトリオ。

まずは谷地先生の絵本とのコラボ、
今回はシェル・シルヴァスタイン(倉橋由美子訳)「ぼくを探しに」。
コミカルで子気味よく展開し、
シンプルな絵の中に心の色彩が豊かに描かれているこの本に、
ニーシカトリオのシンプルで奥深いサウンドはピッタリ。
結構ボリュームのある本ですが、
じっくり聴いてもらうことができました。

音楽は、まず、琵琶楽曲「祇園精舎」で薩摩琵琶をフィーチャー、
本来薩摩琵琶の演目ではないそうなのですが、
靖水さんの祇園精舎、実に素晴らしい!
これは涙なしには聴けません。

チェロのフィーチャーでは織絵さんのオリジナル「銀河」を演奏、
優しく空間を包み込みながら、
ぐいぐいと宇宙を突き進んでいくような心地よさ。

このトリオの十八番、谷川俊太郎・賢作親子の「さよなら」、
最後の「月光価千金」は、
異色トリオのパワー全開で演奏しました。

S-空間の凄いところは子供向けのプログラムが必要ないということ。
演奏を終えて、織絵さん、荒井さんも感心しきり。
音楽のプログラムはすべて大人向け、トークも噛み砕いて、
センシティブな部分には配慮しつつ、
基本的には大人と同じお話をします。
これは谷地先生の日頃の発達支援、指導の賜物でもあります。

毎度思うことながら、彼等はみな、一流のリスナーです。
社会が当たり前として参加者に課していることを、
当たり前にできるようになるための訓練をしている子供達。
同時に、彼等を迎え入れる側の社会の発達が、
問われているのだということを忘れるわけにはいかないでしょう。

今回は個人的な寄付持ち込みの機会に、
織絵さん、靖水さんにボランティアでご協力いただきました。
お二人とも、本当にありがとうございました。

ここでの発達支援は、社会にとって極めて重要な能力をもった人達が、
安心してどこでも活動できる適応力を、身につけるのに役立っています。
また、その成果はその場所限りでなく、学会を通じて社会全体に還元されます。

チームカノンでは引き続き「S-空間」への皆様の募金を受け付けております。
お預かりした募金は定期訪問の際に「S-空間」に引き渡され、
教材の購入などに使用されます。
募金にご協力頂ける方はチームカノンまで直接お問い合わせください。
Tel 03-6427-9156
E-mail team.can-on@miya-music.com

さて、ニーシカトリオですが、
ますますその異色の可能性を飛躍させています。
音を合わせる時間も増え、
ユニットとしての一体感が急上昇しています。
なによりそこから紡ぎ出される音、楽曲が、
いよいよ突出したものになってきています。

和洋管打弦トリオ「ニーシカトリオ」、
皆様には3月15日(金)、人形師・山本由也さんとのセッション、
「セッションヨシヤ2019」@ 江戸川橋・絵空箱でお目にかかります。 https://peraichi.com/landing_pages/view/sessionyoshiya

どうぞおたのしみに!

寳玉義彦



2018年 12月2日「S-空間」

今年2回目の発達障害を持つ子供たちの、
学習支援施設・名取「S-空間」訪問。
今回のテーマは「平和」。
兼ねてより谷地先生の取り上げたかったテーマです。

読み聞かせの絵本は谷川俊太郎/江頭路子「せんそうしない」と、
丸木俊「ひろしまのピカ」を選択。
それぞれの向かい合い方で聴く子ども達。
「ひろしまのピカ」、朗読を聴いたのは小学校の以来ですが、
文章そのものが、大変優れた韻律を持っているのだと改めて気付きました。
絵や内容のインパクトだけではなく、真に価値のある本です。

音楽は「鳥の歌」や「死んだ男の残したものは」などを演奏。
シンプルのな歌詞と音楽の組み合わせの中に、
深い哀しみと痛みが秘められている、
「さとうきび畑」では最後の部分をみんなで歌いました。

谷地先生からは今回も音楽に大きな尊敬を寄せて頂きました。
私たちこそ、ここに伺うのが心の糧になっています。
本当にありがとうございます。

来年2月にはニーシカトリオで訪問予定。
今からとても楽しみです!

ここでの発達支援は、社会にとって極めて重要な能力をもった人達が、
安心してどこでも活動できる適応力を、身につけるのに役立っています。
また、その成果はその場所限りでなく、学会を通じて社会全体に還元されます。

チームカノンでは引き続き「S-空間」への皆様の募金を受け付けております。
お預かりした募金は定期訪問の際に「S-空間」に引き渡され、
教材の購入などに使用されます。
募金にご協力頂ける方はチームカノンまで直接お問い合わせください。
Tel 03-6427-9156
E-mail team.can-on@miya-music.com


今回、南相馬で共同展を開催されていた、
滋賀県の日本画家・鈴木靖将さんにサインを頂いた、
2冊の本をS-空間に寄付しました。
後日さっそく読み聞かせに使用したとのお知らせを頂きました。
鈴木さん、ありがとうございました!



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2018年 7月1日「S-空間」

半年振りになる、
名取の発達障害を持つ子供の支援施設「S-空間」訪問。

今回のテーマは「夢とファンタジー」。
まず谷地先生がMiyaのフルートと合わせて朗読してくれたのは、
「おおきな きが ほしい」(作・佐藤さとる 絵・村上勉)
木登りできるような大きな木が庭に欲しいな、と願う男の子の、

空想シュミレーションが楽しい一冊。
この本、なんと、長い一枚の紙が折り畳まれていて、
木がぐんぐんのびるように伸ばして読んでいけるのです。
イスに立ち上がって大奮闘の谷地先生でした。

音楽と詩も、夢とファンタジーをテーマにしたものから選出。
ジョビンあり、バッハあり、オリジナルあり。
子ども達はしっかり聴いてくれました。

実は今回谷地先生が本を取り落としてしまう一幕がありました。
集中のしどころ、というのは案外難しいもので、
ケアを受けている子ども達の中には、
本筋と関係ないハプニングに過剰反応してしまう人もいるそう。

しかし、それは実際にはおこりませんでした。
子ども達の成長に谷地先生もニッコリ。
私たちのコンサートの継続も、
一役買うことができているようです。

ささやかな協力ですがこれからも継続して、
S-空間に音楽をお届けしたいと思います。

お土産にS-空間の庭で採れたブルーベリーを、
沢山頂きました。谷地先生と子ども達が摘んだものです。
谷地先生、みなさん、今回もありがとうございました!

今回、廊下から教室に向かう途中、
壁に美しく彩色されたセーラームーン風の絵が飾ってありました。
谷地先生に拠るとそれはかつての教え子からのプレゼント。
その方はいま、乳がんなどで失われた乳房や、
事故などで失われた体の一部を、人工的に再生する際に、
精巧な色彩を施してクライアントと新しい体の一部との仲立ちをし、
アピアランスケア(見た目のケア)に重要な役割りを果たす、
彩色師のお仕事に就かれているそうです。

ここでの発達支援は、社会にとって極めて重要な能力をもった人達が、
安心してどこでも活動できる適応力を、身につけるのに役立っています。
また、その成果はその場所限りでなく、学会を通じて社会全体に還元されます。

チームカノンでは引き続き「S-空間」への皆様の募金を受け付けております。
お預かりした募金は定期訪問の際に「S-空間」に引き渡され、
教材の購入などに使用されます。

募金にご協力頂ける方はチームカノンまで直接お問い合わせください。
Tel 03-6427-9156
E-mail team.can-on@miya-music.com


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2017年12月9日「S-空間」


発達障害を持つ子ども達の支援施設「S−空間」への定期訪問。
「S-空間」の子ども達には、子供騙しのプログラムは通用しません。
彼等は最上ランクの審美眼を持った観客で、
とてもやりがいがあり、毎回訪問するのが楽しみになっています。

今回はもっぱら冬をテーマにしたプログラムをお届けしました。
この中で、先日Miyaがゆうどで共演させて頂いた、
内藤理永子さんが翻訳した、
エミリー・ディキンスンの「まぶしい庭で」の中から、
「冬」の部分を、フルートと共に寳玉が朗読。

エミリー・ディキンスンの、
「まぶしい庭で」は基本的に大人向けの絵本ですが、
きちんと書かれた詩は超言語として、
不思議と聴く人に届くものです。
フルートとのコンビネーションも功を奏し、
声を上げてしまう子も、動いてしまう子も、
時々身を乗り出すようしにて聴いてくれました。
最後は「雪のおどり」をみんなで歌いました。

他者との共感を特別に育まなければならないパーソナリティをもつ子供の教育にとって、
身を乗り出すような反応は指導者が強く望むものだと、
今回も喜んで下さった谷地先生。
こちらこそ「普遍に挑む」という点では、得難い機会を頂いています。
谷地先生、S−空間のみなさん、いつも本当にありがとうございます。

内藤さん、「まぶしい庭へ」にサインを下さり、ありがとうございました!
谷地先生にプレゼントしたところ、とても喜んで頂けました。

チームカノンでは引き続き「S-空間」への皆様の募金を受け付けております。
お預かりした募金は定期訪問の際に「S-空間」に引き渡され、
教材の購入などに使用されます。

ここでの支援の成果は学会を通じて、全ての発達障害を持つ子供の支援に還元されます。

募金頂ける方はチームカノンまで直接お問い合わせ下さい。
Tel 03-6427-9156
E-mail team.can-on@miya-music.com


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2017年 5月21日



21日はのアンカーライブからの流れで、
名取「S-空間」で発達支援を受けている子どもたちに、
音楽を届けにいきました。
ゲストがいるときは、毎回ゲストをお連れするという企みがあるのですが、
鬼怒さんは残念ながらスケジュールが合わず、今回はMiyaと寳玉のみ。

この日のテーマは「月と星 」。

まず、谷地先生が朗読に選んだのは葉祥明さんの「宇宙からの声」。
これは端正な文章が見方によっては大人にとっても硬質に感じる絵本です。
そしてけっこう長い。私だったら読むのを躊躇します。

しかし前回、Miya&黒田京子さんとのセッションにて、
音楽が集中力の限界の壁を越えていく力になる、
ということがはっきりわかった谷地先生は躊躇しません。
子どもたちは、時々体を揺すったりしながらも、
最後まで聞くことができました。

よくできた文章というのは、音声にすると、
意味が分からなくても、何か良いものを聴いている、
という感じが絶対にわかるものです。
読み手がそれを自分のものにできてさえいれば、
どんなに難しいものでも、じっとしていることが難しい子ども達でも、
きちんと聴くことができるのだと思います。
谷地先生はこのことをきちんと知っていて、
自分と子どもたちの可能性にフタをしなかったんですね。

音楽は「Star Dust」や「Moon River」など、
詩も中原中也の「湖上」など、今回は思い切ってロマンたっぷりに。
寳玉が感動したのは自作の「籾を干す」を読んでいたとき、
私にしかわからないはずの終行を感じ取って、
絶妙な間で拍手してくれた子がいたこと。
これは偶然ではありません。
なかなか経験できない、スーパーノヴァ(超言語)の証明です。
もちろん意味はわからないはずですが、彼は受け取ることができたようです。
私も嬉しくて仕方ないのですが、先生も大変驚いていました。

私たちが最低年2回、ここへ通い出してから七年目。
はじめは20分間だった緊張に満ちたライブは、
いまでは約1時間の楽しいライブに育ちました。
もちろん子ども達は少しづつ入れ替わっているわけですから、
それでも毎回元に戻ってしまわないということは、
これまでのコンサートからフィードバックされたデータが、
指導法に良い影響を与えていることの表れかもしれません。
だったらいいなあ。

これからも「S-空間」に音楽や詩を届けます。

寳玉義彦



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2016年 9月20日




不思議なフルートパーティーも無事終了し、黒田京子さんを仙台駅までお送りする途中、
いつも演奏を届けている発達障害を持つ子供の支援施設「S-空間」に立寄り演奏しました。
この日は初めてお会いする、2〜3歳の極めて小さい子供達。
発達支援の進行度もそれぞれで、施設に入るなり、なかなかの緊張感に迎えられました。
普段と違う授業の良さを最大限に活かすため、入場のタイミングなどに細心の注意を払う谷地先生夫妻。
子供達の大きな声や動きに驚いていてはこの役目は勤まりません。Miyaも黒田さんも、
それなりの覚悟で臨んだ演奏でしたが、演奏が始まると食い入るように音楽に集中する子供達の態度にびっくり。

なにより今回、涙を流すほど驚いたのは主宰の谷地ミヨ子先生でした。
谷地先生は絵本の読み聞かせを発達支援に用いる手法でもパイオニアであり、
毎回、音楽とコラボレーションで読み聞かせをします。
今回、何気なく選んだ物語は、この日の子供達にとってはかなり長い内容。
谷地先生は途中での子供達の集中力切れを想定し、かなり気を張って読んでいました。
ところが、音楽とのコラボレーションで、子供達は集中力を持続したまま、
物語はクライマックスに突入、今までどうしても読み切ることができなかった本を、
ついに一冊、読み切ってしまったのです。
一度読み切ってしまえば、その本の展開は子供達に認知され、再び読み聞かせる時には、
最後まで集中力が途切れることなく読み聞かせられるとのことで、
これを契機に、つぎの支援の段階を導入できるようになるそうです。
「音楽って、言葉ではどうしても越えられない壁をやすやすと乗り越えて行くのね…」
谷地先生はそういって嬉し涙を流しました。

まさかそんな瞬間に立ち会えるとは思っていなかったMiyaたちもびっくり。
またこの日は、東電の原発事故以来、避難を余儀なくされた上、
何の賠償もうけられず苦難続きだった「S−空間」の運営が、
ようやく順調に回り出したという報告を受け、本当に嬉しい日になりました。

ボランティアでの演奏に協力してくださった、
黒田京子さん、本当にありがとうございました。

余談ながら、子供達同様、谷地先生の審美眼もかなり鋭いものがあり、
ここでの演奏は自然と良いプログラムになるのがまた面白いです。
「観客は超一流」。私たちは「S-空間」に新しいミュージシャンをお連れするとき、
そうお伝えするようにしていますが、訪れた誰もが、
子供達の音楽に接する態度と、支援の成果に驚愕して帰られます。

「S-空間」での支援の成果は谷地ミヨ子先生の学会発表をとおして、
日本中の発達支援を学ぶ人達に還元されます。
私たちは今後も「S-空間」に音楽を届け続けます。

2016年6月12日




6月12日、宮城県・名取市にある発達障害をもつ子供の支援施設、
「S-空間」をMiyaと寳玉で訪問し、寄せられた寄付金をお渡しし、
好例の音楽会として、演奏と詩の朗読をしてきました。
今回はテーマを「雨」に絞り、日本と西洋の雨に関する曲を聴いてもらいました。
今回の音楽はすべて歌詞のあるもの。歌詞の内容を紹介しながら、
いろいろな雨についての感覚を共有しました。
「雨に唄えば」などの元気で明るいものから、
しっとりとした日本の情緒を感じさせる「雨降りお月」、
楽しい雨の擬音語を集めた岸田衿子さんの詩「いろんなおとのあめ」、
雨と風の中の美しくも恐ろしい風景を歌ったマーダーバラッド「Wind and Rain」など、
興味をもって、時間いっぱい、しっかりと聴いてくれました。
コンサートを鑑賞することで確認できる子供達の成長ぶりに、
谷地先生もニコニコ顔でした。

懸案だった施設の屋根の補修も資金借入の目処が立ち、
施設の姿は長かった仮のものから、本格的に子供達の発達を支援し、
その貴重なノウハウを次世代に手渡すための、優しく逞しい姿になりました。
私たちは今後も音楽を中心にS-空間をサポートして参ります。
また、引き続き、皆様からお預かりした募金をお届けします。
募金は教材の購入などに充てられ、最先端の支援を創出する一助になります。
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2015年12月27日




2011年の東日本大震災後から関わって、5年が経ちます。
こうして定期的に通う事で、子ども達にも顔(と音)を覚えてもらう事ができて、
私自身、前ほどは緊張しなくなりました。
子供達から、また会えたね、という声が出るのがすごくうれしいです。

さて、今回は、「動物」「月」「山下洋輔」をテーマに、
今回の「しあわせ音楽会」(谷地ミヨ子先生が命名)をお送りしました。

山下さんの音楽ファンの中には知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、
山下さんは何冊か、こどもたち、そして教育者の間でも、
大変人気のある絵本を何冊か出されています。
山下さんの演奏にも直結するような、短くて、直接脳内に訴えかけるような、
子ども達にもわかりやすい擬音語が用いられているのが特徴です。

じつは、11月、宮崎県木城にある、えほんの郷で演奏した時に入手した、
山下洋輔さん文章を書かれている「つきよのおんがくかい」を
事前にミヨ子先生の所にお送りしていたのでした。

ミヨ子先生は山下さんが文章をかかれた絵本、
「もけらもけら」の大ファンで、子供達のために読みに読んで、
ページもすり切れ、今あるものははもう3冊目だそう。
ミヨ子先生は絵本を使用した発達支援の第一人者で、
ご本人も大の絵本好き。「もけらもけら」は、読みに読んで、
子供達にも人気で、ページもすり減り、今ある本はすでに3代目だそうです。

あくまで作品本位で、作者別に絵本を認識するということがないミヨ子先生。
「つきよのおんがくかい」も山下洋輔作とは気がつかなかったとのこと。
子ども達から「もけらもけらの人だよ!」と教えてもらったそうです。
(子供達、スゴイ!)

「つきよのおんがくかい」は、
以前、木城のえほんの郷で実際に行われた、
「野うさぎに聴かせるコンサート」がモチーフになっていて、
ピアノを山の上まで運んで、山下さんが月が出るまで演奏した、
という実話がベースになっているんですよ、とお伝えしたら、
「エッ?!山下さんはピアニストなのですか!?」と仰天。
山下洋輔=絵本作家…だと思ってらっしゃったそうです。
さすが、大袈裟でなく、人生のすべてを子供達の支援に捧げているミヨ子先生。

今回のしあわせ音楽会では、音楽を聴きながら自由に空想する時間を楽しんでほしい、
という事で、横山犬男・文 寺田順三・絵による架空の絵本を紹介する、
「本の本」の中から、セロニアス・モンクとローランド・カークの物語を取り上げ、
それぞれの曲を演奏しました。音楽をきいて浮かぶストーリーの断片と、
動物が主人公のかわいらしい絵が特徴の想像力が広がる本です。

その後、山下洋輔さんの「Spider」を演奏、
ミヨ子先生と「もけらもけら」の朗読セッション。

ご自身は音楽の事は分からない、とおっしゃるのですが、
絵本の読み聞かせと、(特に山下さんの作品の擬音語など)フルートのセッションは、
本当に音楽的というか、ジャズ的というか、
毎回、子ども達の反応によって変わる、生き物のようなしなやかさがあります。

続いては、エノケンこと榎本健一さんの唄で有名な「月光価千金」を、
子供達の手拍子と一緒にセッションした後、
再びミヨ子先生と「つきよのおんがくかい」の朗読セッション。
最後はミヨ子先生が選んでくださった本
「百匹目のサル」との朗読セッションをしました。

ミヨ子先生の本当に尊敬する所は、
子供達だからって難しい作品は分からないだろう、
と決めつける事は決してしない所です。
どんなに作品でも、きちんと伝えたい事を整理して、
技術と信念をもって伝えれば、
必ず子供達も最後まで集中力を持ってきいてくれます。
これは、私が普段やっている音楽シーンにもそのまま還元できる事だと思います。

毎回素晴らしい経験をさせてもらっています。
ミヨ子先生、S空間の皆様にあらためて感謝です。

Miya

       *  *  *

さて、施設を健全に維持するための、
谷地先生の手腕には目を見張るものがあります。
基本的には営利のための運営ではないのですが、
パイオニアであるが故に前例はなく、独自の形態を模索しています。
ゆえに、建築法や消防法などにおいて、
先生の施設は、最も厳しい基準に合わせざるを得なく、
コンプライアンス上の問題をクリアするために、
かなりご苦労をなさっています。

建物はかつて水産試験場だったものを買い取って改装しました。
内部の環境は、訪問の度に工夫が増え、すばらしいものです。
昨年からの懸案であったスプリンクラーの設置については、
自己資金と補助金を上手く組み合わせなんとか切り抜けたそうですが、
今度は屋根の修理にそれなりの金額がかかるとのこと。

誰かが適当に屋根に上って直せば、直らなくもないでしょう。
しかし、安全上の問題で周囲からのクレームが出てしまっては、
このような施設はたちまち運営できなくなります。
あくまで規定通りの足場を組んでの作業を希望しているそうです。

資金面で苦労しても、飽くまでコンプライアンスを重視し、
社会の一因として運営することに価値を見出す谷地先生の姿勢には、
見倣うべきものがあります。

Miyaのライブでは引き続きConnecting Places募金」を、募り、
集まったお金を「S-空間」にお届けします。
また、個人や団代で、まとまった金額の寄付が可能な、
志ある方をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご紹介ください。

スタッフ・ほうぎょく
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2015年 6月7日




S空間訪問レポート

こんにちは、カノンスタッフです。

6月7日、その道30年の大ベテラン、谷地ミヨ子先生が、
子供達の発達支援をしている施設「S-空間」を訪れました。

おなじみ、
谷地先生の絵本の読み聞かせとのMiyaのコラボレーションは、

マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
レナード・ワイズガード 絵
うちだ ややこ 訳の、「たいせつなこと」

平易な言葉に約された、
アメリカ文学の香り漂う、ちょっと哲学的な絵本でした。

続いては A Story of Jazzのプログラム、

・ルイ・アームストロング 
・デューク・エリントン 
・チャーリー・パーカー 

総集編にしたものを、聴いてもらいました。

今回は保育園〜小学校高学年までの子供達が、
発達支援を受けていましたが、
意外とみんなジャズについて知っているので驚きました。

本編同様、ジャズの物語も解説し、
突っ込んだ話もみんな真剣に聴いていました。

でも、ここは発達支援の場ですから、無理は禁物。
プログラムの長さには神経を使います。
今回はちょっと長かったか、と少し焦ったのですが、
最後の曲を終えるとなんと谷地先生が、
「小さな世界」をリクエスト。

演奏を終えて時計を見ると、
演奏時間はなんと、1時間を超えています!
すご〜い!みんなよく聴いてくれたね。
2011年、私たちが始めに訪れた頃は、最長で20分、
始めは5分とじっとしていられなかったという子供達も。

「これならば学校行事もなんとか行けるかも…」

と先生は大感動。

お役に立てたならうれしいです。

懸案だったスプリンクラー設置の問題も、
なんとか解決し、後進の指導者も少しづつ育ちはじめて、
4年間の訪問で、今回初めて、
終了後に事務所で谷地先生とお話できました。

「いままではこの時間も取れなかったんです」

とおっしゃる谷地先生の、ほんの束の間の安堵の表情。
最後にライブを通してお預かりした募金をお渡ししました。

帰り際、はにかみながら感想を書いて渡してくれた子、
ずっと拍手してついてきてくれた子、
「むねがくるしい」と言ってくれた子。

温かい見送りにただただ、ありがとうございました。
また、たのしい企画を考えて、お邪魔します!

Team Can On
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2014年 12月14日



2月の訪問から10ヶ月ご無沙汰してしまった「S−空間」。みなさまからお預かりした募金と、Miyaの音楽を届けに訪問した12月14日も、子供達は元気に過ごしているようでした。

代表の谷地ミヨ子先生は、震災後、宮城県名取市愛島の水産試験場跡地を買い取り、来所可能な子供達に発達支援を行っています。ここでは研修生と、子供達の親が積極的に指導の方法を学び、将来の支援に備えています。

本来、これらの指導者育成は、南相馬市に完成間近だった「MMサポートセンター」にて、理想的に行われるはずでした。しかし、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、来所者の家族も多くが南相馬を離れざるを得なくなり、指導者育成と支援そのものに多大な影響が出ました。その後、MMサポートセンターは東京電力からの賠償や公的なサポートなどを受ける事が出来ないまま、谷地先生の決断により廃止を決定。規模は縮小したものの、名取市において、南相馬、仙台周辺からの来所者に対し支援、指導を続けています。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故は、被災した人たちの時間軸を大きく狂わせました。昭和23年生まれの谷地先生の年齢を考慮すると、もとより急務であった指導者育成がますます時間的に圧迫されています。さらに、利益は決して出ないものの、有償であるがために営利と見なされてしまう当施設では、財務面での負担も大きく、その対応にも力を取られる現状でも、谷地先生は笑顔を絶やさずに、子供達の指導を続けています。

全ての子供達が社会の宝であるように、発達支援を必要とする子供達もまた、社会の宝です。彼らを社会に迎えてゆく事は、私たちの社会全体の成熟にとって極めて重要な事だと考えます。

私たちは今後も音楽と人の輪を通じてS-空間への支援を続け、Miyaのブログなどを通して報告して参ります。みさなまにも引き続き、関心をお寄せ頂ければ幸いです。


Team Can-On
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幸せ音楽会

2014年2月1日 柳原陽一郎 × Miya


2013年12月11日 Miya Solo

第五回募金 (2013年 3月かりゆしバンドツアー)



静岡市清水青年団連絡協議会兼静岡市清水青年の船OB会様 ¥50,000

東京/Buddy
清水/テルサ
名古屋/スリースター
大阪/アムホール
計 ¥ 71,412

合計¥121,412
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第四回募金 (2012年 麗光道 Japan Tour )

麗光道 (Dana Hanchard, Miya, Rena Kodama) によるツアーでの募金活動

5月25日 ティールーム さち 
5月26日 JAL イベント
5月29日 平塚 大原公民館
5月31日 みずさわ珈琲
6月1日 川崎ワールドピースシアター
6月3日 藤野 Cafe Shu
6月7日 溝の口 新作八幡宮神社

合計:¥131,000

協力:湊愛子(さち、JAL、平塚、川崎ピースシアター) 宮崎真理子 (みずさわ珈琲)田畑久美子(Cafe Shu) 原理代(平塚)新作八幡宮神社のみなさま アンサンブルニンゲン (敬称略)
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第三回募金 (2012年1月〜4月)

Team Can-On が主催するライブや、Miyaが積極的に関わっている企画の際にお寄せ頂きました。

募金総額¥7,500
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第二回募金 (2011年9月〜12月)

※美学×Miyaシリーズ※

募金総額 ¥9463
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第一回募金 (2011年3月まで)

※Connecting Places Japan Tour 2011 ※
島根/カフェジーノ (3/17) 宮崎/ブティック・リベルテ (3/20) 熊本/凛や (3/21)
熊本/ハロー通り (3/22)

※Connecting Places チャリティーライブ※
東京/珈琲美学 (3/29)

募金総額 ¥150,000 (内MMサポートセンター ¥50,000)


Connecting Places 募金にご協力ください。

 
 この募金活動は東日本大震災を受けて、2011年3月のConnectingPlacesTourから開始しました。この募金は全額、東日本大災と東京電力福島第一原子力発電所の事故で多大な被害を受けた南相馬市で発達障害児の支援を行っているNPO法人「S−空間(旧MMサポートセンター)」に寄付されます。MMサポートセンター では所長の谷地ミヨ子さんが30年来の経験を積み上げて独自に開発した支援法を用いて、大変に効果の高い発達支援を行っていました。しかし、施設は原発の30キロライン近く。来所していた子供達も県外に避難せざるを得なくなりました。 現在は宮城県名取市に「S–空間」を開所、来所出来る子供を対象に運営していますが、避難先から支援の継続を求める声も多く、電話連絡や所長自らの出張で支援を継続しています。
 

 MMサポートセンターは非営利で運営され、費用は研修生を受け入れる寮の家賃で賄っていましたが、寮も安全性を最優先し、学生達を帰郷させたために運営に必要だった充分な収益が失われてしまいました。現在は、職員も親子も以前の状況を取り戻す見通しが付かない中で、最善の支援を続けています。


 募金は施設の通信費を中心にした活動費や、教材費に使用されます。有る程度の金額に達した段階でお届けし、また谷地さんからのコメントなどを通して、今後も継続してみなさまに状況を報告いたします。今後とも土地と土地を繋ぐ有効な募金活動として、呼びかけを続けたいと考えております。Miya/チームカノンが主催するライブでは会場に募金箱を設置致します。また、普段のライブでもお声がけいただけましたら、お預かり致しますので、ご協力よろしくお願い申し上げます。

                        
チームカノン・Miya

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MMサポートセンターの様子



買い物の練習



みつあみ 大きい子が小さい子に教えます



すごろく 人生ゲームなどお母さん方が上手に教えます。



遠くに避難した子らとの相談と訪問ノートはとうとう5冊になりました。その他にバラバラにたくさんのノートがあります。新しい場所の地図、変更の住所など、どんどん上に貼付けてあります。

ご寄付頂いたお金は他地区や他県に避難中の子らに会いにいったり、長時間の電話をしたりするための費用(通信、交通、宿泊費の一部)にあてさせて頂きました。3.11〜12月末までにかかった通信費は約50万円、交通費は約80万円、宿泊費は約20万円にものぼりましたが、直接会えた子はまだ全体の半分約50人ほどです。新しい支援先が見つかった子もありますが、どうしても見つからず、度々SOSを発信してくる子もあります。トラブル内容もほぼ3ヶ月毎ぐらいで、どんどん変化してゆきます。一体今後どうやってつないでいけば良いのか・・・でもいつもとにかくいま出来る最大限の事を、そう考えております。ご支援に深く深く感謝しております。

NPO法人 MMサポートセンター代表 谷地ミヨ子 (2011)
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こんにちは、南相馬の詩人、寳玉義彦です。
 
過日より、Miyaさんのお声がけに応じて、
沢山の義援金をお寄せくださった皆様、
本当にありがとうございました。
皆様からお預かりした義援金の分配が、
完了いたしましたことを、本日ここに報告いたします。
 
私がお預かりした募金の総額は146570円でしたが、
私の志3430円を加え、合計150000円の資金を、
「コネクティングプレイセス募金」として、
5万円を南相馬市の生活支援義援金に。
5万円を南相馬市を拠点に発達障害児の支援活動をする、
NPO法人MMサポートセンターに。
5万円を、津波で家を失うなどの甚大な被害を受けた、
ConnectingPlacesTour南相馬のスタッフ(個人)に分配いたしました。
 
MMサポートセンターでは名取市(宮城県)に避難して活動を続けていらっしゃる、
代表理事の谷地ミヨ子さんにお話を伺いました。
発達障害(主に自閉症など)を抱える子供たちの養育の場として、
体当たりで指導方法を作り上げてきたMMサポートセンター。
研修生を受け入れる寮を南相馬市につくり、その家賃収入で活動費をまかなっていましたが、
南相馬の施設のすべてが東京電力福島第一原子力発電の事故に伴う屋内退避区域に入り、
本来の活動を中断せざるを得ない状況に追い込まれました。
 
子供たちはみな親御さんと一緒に避難しましたが、日ごろの指導の成果あって、
避難所で問題のある行動をする子供は一人もいなかったそうです。
しかし、避難所で不安な時間を過ごす100人ほどのケアの必要な子供たちのために、
電話でこまめな指導を行わなければならず、その通信費が今、足りないということでした。
義援金が役に立つことを祈ります。
 
「同じような状況は至るところにある」と谷地さんは訴えていらっしゃいました。
その数日後、インターネットニュースで、発達障害児の親たちが周囲に遠慮してしまい、
避難所に入れないで孤立しているという記事を目にしました。
「被災地」や「被災者」という言葉で括られてしまう私たちの今の暮らしの中には、
このように人の数だけさまざまな苦悩が秘められています。
 
今、本来人が生きるために目を向けるべき心の機微が、
危機管理という大きな目的の下に切り捨てられているのを感じます。
私たち流れ込んでくる大量の情報、そしてそれを覆い隠す執拗なスローガン。
私は詩人として、その状況をつぶさに見つめ、ただ、書き継いでいきます。
 
傷だらけになってしまった私の大地ですが、
そこには今も豊かな沈黙があります。
格納容器が水素爆発する音が現実に響き渡っていたあの日、
私は自分の命を含め、人の命を最優先に守ることを考え、実行しました。
しかし今、自分の命は生まれ育った土地とともにあることをひしひしと感じています。
私の詩は今も、そこにあります。
 
このたびの皆様のご厚誼に、心より感謝申し上げます。
いつか、あなたの詩を見せてください。
 
寳玉義彦 (2011)